こんにちは*photographerのmachikoです。
私がデジタルカメラを初めて買ったのは23歳の誕生日でした。
はじめはコンパクトカメラでしたが、すぐに一眼レフを買い
カメラの専門学校に通い始め、やがてONESTYLEへたどり着きます。
私がカメラを手に取りうまくなりたいと思ったのは
ある日突然、家族同然のようにしていた人を”記録する”という使命感に駆られたからでした。
その人はミュージシャンで、初めて見た時こんな音楽は聴いたことがない。
絶対に世に出て行く人たちだと直感的に思いました。
それからそのバンドの写真を9年間撮り続けました。
一番はじめに見たときは、横浜の小さなライブハウスで
お客さんもパンパンには入っていなくて、趣味の延長のようにやっていましたが
そのうち大きなイベントにも呼ばれるようになり、
私が高校時代に憧れていた有名なスカバンドと同じステージに立ったり
アメリカのバンドに呼ばれて、2週間のアメリカ横断ツアーにも同行しました。
そんな彼らがどんどん有名になっていくのを目の当たりにしていて
今年こそはと何年もずっと一番に願っていたことがあります。
それは、フジロックへの出演。
ルーキーステージへの出演から7年後、
そんな大きな夢さえも、彼らは昨年叶えることができました。
とっても大きなステージで、私の夢も叶ったような気がしました。
だけど、そんな大きなことを成し遂げた彼らの写真を見ても
どうも私自身、これが私が撮りたかった写真だ、とは思えませんでした。
そんな彼らにも変化の時が訪れました。
主要メンバーの脱退。
私が一番近い存在だった人も、脱退を表明しました。
カメラを手に取ってから、彼らのおかげで色々な素晴しい光景を
カメラを通して、本当にたくさん見させてもらいました。
よく海賊に例えられる彼らはファンを含んだ自分たちを大きな船に例えていました。
メンバーが脱退しても、彼らの航海はまだ続いていく。
そんな彼らとの旅路で、私はここでこの船を降りるんだなと思いました。
先週、鴬谷のキネマ倶楽部という伝統ある素敵なライブハウスで
メンバー脱退の最後のライブがありました。
私がずっと見てきたこの7人でのライブはこれが最後なのかと思うと悲しくて涙が止まりませんでした。
アンコールにふさわしい最後の曲が始まるとライブハウス内を突然花吹雪が舞いました。
何かが終わって、何かが始まる夜を祝福する花吹雪と
彼らのことが大好きなファンしかいないライブハウスで
私は今まで私が撮りたかった彼らの写真がやっと撮れたような気がしました。
ただ彼らの最高の瞬間を記録すること。
彼らだけじゃなくて彼らを思うファンの人たち全員の熱量。
フジロックでもアメリカでもすごいエネルギーうずまく場所で切った渾身のシャッターでも
納得できなかった理由が分かりました。
彼らの思いとそれを支えるファンの人たちのまっすぐな思いが、
最後に私に納得のいく”写真”を撮らせてくれました。
私の中でもカメラの人生が、一区切り。
個人的な話、最後までお読み頂きありがとうございました。
see you.