去年より、瀬戸内の島々に、ちょこちょこと訪れている。
豊島のおっちゃんは、変わらず、
訪れるたびに、無償の愛情で、接してくれる。
島のおっちゃん達は、面白い。
また1人、出会ったおっちゃんの話。
男木島という島。
日本の灯台50選にも選ばれている灯台が、北西にある。
港から徒歩30分強の、いのししが出るかもしれない道のりを歩き、
たどり着くと、なんとも可愛らしい灯台が現れた。
誰もいない。
灯台の裏へ回ると小さいおっちゃんが、
「こんにちは」と通り過ぎた。
灯台前でのこちらのくだらないセルフポートレート撮影を終え、
帰りは、ずっと登りだな。ちょっと億劫だな。
と帰り道に出たところで、座り込んでいると、
軽トラに乗ったさっきのおっちゃんが来た。
ゆっくり私の近くで車を止めた。
何か言っていた。
もう一度聞き直すと、
「のるかー」
と、ロウテンションで発声していた。
大抵、島で声かけてくれるような”おっちゃん”たちはおしゃべりなのだが(褒め言葉)
こちらのおっちゃんは、
寡黙。
狭い軽トラの社内で、会話を繰り広げるのに質問するのは私の担当だった。
10分にも満たない短い時間だったはずだが、
そのなかで交わした会話。
私:「おじちゃんは漁師さんですか?」
(間)
おっちゃん:「いや 。 今は漁師じゃない」
(間)
おっちゃん:「百姓やな」
おっちゃんはニンニクを作っているらしい。
おっちゃんは最後、こういった。
「三分の一 (間) 農家」
「三分の一 (間) 管理」(灯台の管理をしているから、今回も灯台に居たらしい」
「三分の一」
(間)
「自由」
終始ゆっくりしゃべる寡黙な人。
最後の三分の一を、何と言うか迷ったと思われる “間” 、
が特に、長かったのが印象的。
こんなに、格好つけていない
“自由” という言葉、
わたしは過去に聞いた事があっただろうか。
先にあげた、くだらない私の、セルフポートレート撮影風景を、
1人で何度もシャッターを押しては、走っているセルフポートレート撮影風景を、
おっちゃんが見ていたかどうかはしらない。
photographer//SAYA
※島のおばちゃん、よけ過ぎて、土手。。